―この衝立だけ、ちょっとテイストが違いますね。
「おばが東南アジアのどこかで買ってきたものです。亡くなった時点で処分するって聞いてもらい受けました」
―仲のいいおばだった。
「そうですね。凝る方向性が似てました。絵を描く人で本もよく読んでいたので、そういうところでは話があった。あとは、死ぬまで独身だったので」
―そこも同じだと。
「おばの歩いてきた道を僕も行くんだろうなとなんとなく思ってます」
次の団地が見つかるまでの仮住まいのつもりだが、このまま住み続けるかもしれない。
というのも、この団地住まいでも会社内では一番近くに住んでいる社員になっているという。
地下鉄/阪急天神橋筋六丁目駅から徒歩8分。梅田までも自転車圏内。
[取材を終えて]
大阪の西九条にマンションを購入して住んでいたが、2年間の出向で東京へ。その間、マンションが元値より高くなっていたため売りに出した。東京から大阪に戻ってくる直前にマンションが売れたため、急いで家探しをしてこの団地にたどり着いたそう。
ひとまずの仮住まいのつもりで引越ダンボールが積み上がったままながら、暮らして1カ月、十分に今の暮らしは成立している。ということは、ダンボールの中に入れたままになっているあれこれは必要ないのでは?
「こうやって人は物を減らしていくのかなと思います」。
リバーサイドほんじょう
→https://www.ur-net.go.jp/chintai/kansai/osaka/80_2790.html
写真:中村寛史 文:竹内厚 団地コーディネイト:辻野憲一
これまでの訪問先
鍵盤楽器プレイヤーの夫妻/小阪駅前団地
東京・練馬から越してきた60代夫妻/桃山南団地
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