3. 足るを知る
「知足者富」とは、老子の言葉。
足るを知ることは豊かになること、という意味で緑さんのキッチンは、まさにそれ。
緑:広くなると、たぶん余計な物まで買ってしまうと思うんです。
使わない物が増えていくのも、何がどこにあるか把握できないのも、嫌いで。
だから、買い物をするときにもまずどこに仕舞うかを考えてから買います。

撮影用だからではなく、普段からこのすっきりした状態。

ガスレンジは業務用。魚焼き用グリルは使わないのでこの家にはない。
ふと自宅の台所を思い浮かべてみた。
確かに、ここになくてもいいものが机の上に出ていたり、月に何度使うかわからない代物が、目立つところに居座っていたりする。
理由は特にない。
強いて言えば、そこにスペースがあるからだろう。
でも、わかってはいても実行に移すのは難しい。
極端な超整理術的な思考ですべてを捨てていくのにも、拒否反応が出てしまう。
現状や自分を知った上でできあがるキッチン、それが緑さんの理想の居場所なのかなと思う。
→4. 炊飯器はもう要らないへつづく