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  • とある団地住人のいくつかの暮らしぶり #5 30代ひとり暮らしの仮住まい/リバーサイドほんじょう No.4

玄関横の洋室には引越ダンボールが山積みになっていた。この部屋は照明器具もまだ取りつけておらず、基本は真っ暗。ぷちぷち包装の中身はアニメのポスターとジグソーパズル。

寒くなってきたので冬服をダンボールから出しつつ着ている。なぜかそこに、新潮文庫を100冊読むともらえる「Yondaパンダ」がゴロリ。

―100冊読んだ?
「パンダをもらおうと思って読みましたよ。応募マークだけを切り取るなんてせこいことはせずに」
―けど、家の中に本がほとんど見当たりません。
「文庫本でも1400~500冊くらいあったんですけど、100冊ちょいまで減らしました。断腸の思いで」
―その100冊もこのダンボールの山の中に。
「そうですね、美術書とかも下の方に。あとは、台所用品とか服がまだ箱の中に」
―箱から出さないんですか?
「実は、もう少し職場に近いUR団地を狙っていて、そっちのいい部屋が空いたらまた引っ越そうかと考えてるんです」

押し入れの棚をそのままハンガーラックとして使う技。

越して1カ月にしては馴染んでいるが、自分の家にしてはどこかぞんざい。ひとつの宿に長期滞在したらこんな感じかもしれない。

取材で訪れた日は胃腸炎で会社を休んだそう。そんな日にすいません…ちなみに、本日の夕飯は混ぜご飯と味噌汁。

ときに行平鍋で卵とじをつくったり、ブロッコリーをソテーしたり。2カ月前から出汁をとることも覚えた。

鍋釜はすべてすぐ手の届くところに置いてある。

なのでシンク下の広い収納にはスポンジのみ。ぷちぷちは引っ越しを手伝ってくれた友人が敷いてくれた。その理由はわからない。

Journal D

UR職員が団地内のいろんなお店を訪ねた「グルメD」。団地愛好家集団“チーム4.5畳”による、団地のイロハをゆかいに伝える連載「週刊4.5畳」など、さまざまな角度からダンチに迫ります。

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