6.すべて木でできた理想的なキッチン

久保:キッチンを作ってくれた設計士の方が、うちにどんな調理器具がどれくらいあるかを見に来てくれて。「ひとりなのになぜか鍋や釡が大きい。仕込み前提やな」って言われました(笑)。
久保さんは厚みのある木を使うということをオーダーしただけで、あとは久保さんがどのようにキッチンを使うかという話を聞いて、道具を見て、久保さんに合わせたキッチンをつくってくれたそうだ。
「キッチン下の扉を開け閉めして、奥にあるものを使うのは面倒」と聞けば、収納の扉をなくして、鍋や釡にちょうど良い幅と高さの棚を。「スパイスがわりとたくさんあるので、すっと出せる棚が欲しい」と聞けば、キッチン用に使った木の端材などを使って、調味料やスパイスが数多く置ける棚が完成した。

これがスパイスの棚。よく見ると右端の上下の木の種類がそれぞれ違うのがわかる。キッチン本体に使った木の余りを使ったため。スチールの部分は設計士のアイデアで、板を曲げてつくったオリジナル。
オーブンも入れて、10年以上使っていた冷蔵庫も新調。
なにより窓に向かって狭く、人ひとりが立てばおしまいだったキッチンを開放的に広々とさせた。
久保:前は、“なにか手伝うわ”って言われても2人立てないくらい狭くて、逆に邪魔になるくらい。ちいさなキッチンでした。でも今は、一緒に料理ができるくらい余裕のあるキッチンにしたので、手伝わせよう、手伝わせようとしています(笑)。
そうして、久保さんにとってまさに理想のキッチンができあがった。

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