No.5:服部滋樹さん・知香さん夫妻のキッチン
大阪のドムス香里

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1.服部滋樹さん・知香さん夫妻のお勝手調査

クリエイティブユニット・grafの代表であり、地域や企業のブランディングやプロダクトの企画、制作など多岐にわたる活動をする一方、大阪の兄貴的存在として知られさまざまなメディアにも登場する服部滋樹さん。

そんな服部さんとはじめて出会ったのは、ちょうど10年前のことだ。
その出会いは私にとって、私が編集長を務める雑誌「IN/SECTS」の編集部にとっても非常に印象深い出来事だった。

雑誌を創刊してすぐの頃、ひょんなことからYMOの写真展の運営を行うことになり、当時まだ正式オープン前だった中之島BANKSを借りることになった。
打ちっぱなしの空間で、空調もなにもまだ整っていない状態だった。
会期が始まり、冬の寒い1日。
写真展に「教授」こと坂本龍一さんが、コンサートの合間を縫って来場された。
そこに、服部滋樹さんも駆けつけたのだ。

後で知ったことだけれど、服部さんが代表を務めるgrafの家具や照明を坂本龍一さんの事務所で使うことになり、それ以来のお付き合いだったそうだ。
そんな場面に遭遇した私と「IN/SECTS」のメンバーは、もちろん、存在を知られているはずはないと思っていたけれど、服部さんはどこで手にしたのか雑誌「IN/SECTS」を見てくれていた。
そして、「会いたかった」とも。
そのことは、夢見心地というと大げさに聞こえるかもしれないが、とても光栄で、その日のことは坂本龍一さんの来場とも相まって今でも編集部で話したりするくらい、当時を知るメンバーにとって心に残っている。

それから、服部さんとの付き合いがはじまるのだけれど、仕事で一緒になったという記憶は、あまりない。
今回のように取材をお願いしたりすることはあっても、ほとんどの場合、プライベートで話を聞いたりするばかりだ。
それでも、普段の話のなかで、時おり“服部哲学”を感じる瞬間がある。
それが垣間見えたとき、服部さんの生活について、もっと言えば、何を食べて、どんな家庭だったのか、そんなことを知りたいなといつも思っていた。

服部滋樹さんは2016年11月に知香さんと結婚。
それから引っ越したばかりの新居へ今回、訪問することになった。
服部さんの台所を拝見することで、私の疑問が少し晴れるのではないか。
そんな期待を込めて、お勝手調査におもむいた。

2.朝ごはんが夫婦の時間へつづく

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借り暮らし、貸し借り、賃貸にどんな可能性がひそんでいるのか。多彩に活躍する方々へのインタビュー取材を通してその魅力に迫ります。いいところ、大変なところ、おもしろさ、面倒くささ…きっといろんなことが浮かび上がるはず。

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