3. オリジナルの糠酵素
職場が住まいの階下だから、3食を家で食べるヴェルンハルト家。キッチンを使う時間がとにかく長くなったという。
朝食はマルクスさんが担当、えり子さんは洗い物。昼と夜は、えり子さんが料理、マルクスさんが洗い物という役割分担は「自然とそうなった」そう。
マルクス:私は下働きで(笑)、朝ごはんだけ担当しています。朝ごはんは、フルーツと豆乳でつくったカスピ海ヨーグルト。100%豆乳だとできないというメーカーもありますが、できます。ただ、本来のカスピ海ヨーグルトの粘りはないです。
私たちはビーガンではありませんが、なりゆきでビーガン的な朝ごはんですね。
手づくりカスピ海ヨーグルトには、ヴェルンハルト家のオリジナルな「糠酵素」を入れるという。糠漬けをされているひとなら分かると思うが、糠そのものは喉ごしも悪く、癖があって、お世辞にもおいしいとは言えないのだけれど。
えり子:そもそも糠酵素を作りはじめたのは、マルクスの皮膚炎を治すのに、糠がいいんじゃないかって従姉妹から糠酵素をもらったのがきっかけです。だけど、それはおいしくなくて(笑)。そこで、従姉妹のレシピをアレンジして、糠をよく炒ってみたところ、風味のよいものができたんです。
まず、無農薬の糠を香ばしくなるまで炒って、そこに、種を取ってミキサーで皮ごと粉砕した無農薬のレモンとお砂糖を混ぜ合わせて、糠味噌みたいな状態に。レモンでなくても酸味の強い柑橘系ならなんでもいいです。
大きめの樽に入れて、毎日かき混ぜ、発酵が始まってから1週間くらいかな、ほのかにアルコールみたいな香りがしてきたら、できあがりです。
味噌かちょっと固めの糠床といった印象の糠酵素。ルックスとは裏腹に、ヨーグルトに合うほどよい酸味と甘さ。
マルクス:私はもともと民間療法の類はあまり信じていないんです。けれど、炎症をおさえるのにずっと抗生物質を飲み続けているのはよくないとえり子に説得されて。最初は半信半疑だった糠酵素ですが、食べているうちに皮膚の悩みはかなり解消されました。でも、今では健康のためというよりも、糠酵素のおいしさにすっかりはまってしまい、毎朝食べるのが楽しみなんです(笑)。
→4. キッチンの扉へつづく