• TOP
  • OURSアーカイブ
  • with チチ松村(ギタリスト) around 南森町~中崎町~梅田〈大阪市〉#02

with
チチ松村(ギタリスト)
around
南森町~中崎町~梅田〈大阪市〉

ひきつづき、GONTITIのチチ松村さんと散歩です。今回は天五~中崎通商店街の周辺へ。まだサングラスをかけてなかったその昔、このあたりをよくうろうろされていたそうです。

 

#02

車でセミ/ロージー/Kとブルンネン/焼き芋屋さん

—1丁目から6丁目まで続く天神橋筋商店街、天五から道が狭くなりますね。

チチ松村:こっちの方が昔からのお店が残ってるんかな。この居酒屋さんも昔からあるし、安く飲めるよ。

—いいですね、昼間から呑んでるひとがたくさんいます。

あそこにお寿司屋さんあるやん? 今はよく並んでるけど、昔はほんまにあそこでよく食べた。

—行列ができてますね。いつもぶらぶらするのはどのあたりのエリアが多いですか?

自転車でこの辺りを抜けて梅田方面に向かうことが多いかな。

—ちなみに車を運転されたりもします?

あんまり都会では乗らへんね。セミ取りに行く時ぐらいかな。

—セミ取り?

そう。セミ取るために車を買ったみたいなもん。図鑑でしか見たことないセミは遠くの方にいるから。天気のこともあるし、車は機動力あるから。

—セミを取るための車なんですね。

ほとんどそうやね。

—この横断歩道を渡ると天五の中崎通商店街です。

ちょっと暗くなるね。ここは若い頃からしょっちゅう来てるからね。

—なぜです?

二十歳くらいのときに「ロージー」っていう音楽好きのひとがやっているお店があってね。そのとき、ぼくはひとりで歌ってて、「春一番」(大阪の歴史的な野外音楽フェス)にも出てた。昔はフォークシンガー。

—ベルボトムでノー・サングラスの時代ですね。

その店もあったから、この辺りはよく来てたよ。でも閉まってるところが多いなぁ、今日は定休日か。そういうえば、昔ここに変わったお店あったん知ってる?

—はいはい、ありました。

宇宙家族」とか言う名前の。

—かなり癖の強い食堂だったような。

そうそう。

—チチさんは散歩の途中にお店でなにか食べたりとかあります?

いや、家で食べることが多いから食べ物屋さんはあんまり知らないねんけど、この「力餅食堂」は昔からいろんなところにあるよね。美味しいよ。あれ、「ブルンネン」ってなんやろ。

—パン屋さんの「ブルンネン」。なんでしょう。

「Kとブルンネン」を思い出すけど、知らん?

—知らないです。

ヒデとロザンナの次に出てきたグループ。「何故に二人はここに」がヒットした。「ブルンネン」ってどういう意味やろ?

—聞いてきましょうか。……ドイツ語で「泉」だそうです。Kとブルンネンのことは知らないそうです。「またパン買いに来てや」、とのことです。

はい(笑)。あそこに焼き芋屋さんがあるね。専門店は珍しいな。

—「蜜香屋」さん、お芋の専門店ですね。

安納芋あるかな。安納芋がいちばんうまいね。昔は焼き芋屋さんはいろいろあったけどね。

—食べましょうか。それじゃ安納芋とシルクスイート、ひとつずつください。

(焼き芋を食べて)うわー、すごい、この安納芋。うまい! むちゃくちゃうまい(笑)。糖分がすごい。焼き芋屋さんは絶滅したと思ってたけど、これはすごいわ。

—ふつうの焼き芋とは一味違いますね。

抜け道/医院の建物/古本屋「高山文庫」/拾ったりもらったり

―ここの交差点はよく通ります?

家から、まっすぐくればここに出る。このまま行けばMBS(毎日放送)のところに出るねん。だから、梅田行く時はだいたい通る道やね。

—突然なんですが、散歩も含めてチチさんの趣味ってなんというのか老人的な趣味、ですよね。

そう。おじいさんに憧れてた。けど、ほんまにおじいさんになってきたからね。でもある時、子供に向かっていったときあったけど。

—老人から子供ですか?

映画で『ブリキの太鼓』を見て。主人公のオスカルは3歳で成長を止めるねん。それに影響されて。子供になると目の前の喜びを見つけるようになってくるね。

—虫を見たり、ですか?

そうやね。でも、それでここ2、3年はサルやね。一番好きなのはサル。うわー、ここの建物いいやん!

—カフェになってますね。

元・医院やね。こういうところに住みたいわ。病院の建物に住んで、いつも白衣を着て友達が来たら、受付のところで「はい、どうしました?」って。それやりたいねん。楽しいやん。医療器具を集めてたこともあるしね。

—いろいろ集めてますね。

あ、あそこに知り合いがいるわ。いっぺいちゃ〜ん。

—古本屋さん「高山文庫」のご主人ですね。こんにちは。

この人はね、昔は音楽の仕事をしててそれから古本屋になってん。古本屋になってもうどれくらい? 38年! すごいな。

—ご主人、若い頃のチチさんはどんな感じでしたか?

(「高山文庫」店主さん:松村は何も変わらないな、一緒。髪の毛が白くなっただけ(笑)。)

(笑)変わらへんかな。そういえば昔、このひとに自転車をもらったことあるわ。

—拾ったり、もらったり。さすがです。

チチ松村さんとの「さんかつ#03」
次回は中崎町の迷路のような路地をうろうろ。チチさんが最高だというお店にも行ってみました。よかったら見てみて。


with チチ松村 around 南森町~中崎町~梅田

NEW ARTICLES
/ 新着記事
RELATED ARTICLES
/ おすすめの関連記事
近くのまちの団地
住まい情報へ