木々の間に実物大の動物たち
富田団地にウォーキングコースがお目見え
#富田団地
大阪・高槻市の富田団地は70棟を超える住棟を有する規模の大きな団地です。広大な敷地にはランドマークにもなっている大きなメタセコイヤをはじめ、どっしりとした木々が団地のいたるところにあり、その豊かな自然はまるで森林公園のよう。そんな富田団地に、2019年春、ウォーキングコース「並木のみち」が誕生しました。
大型連休中の5月4日、富田団地自治会主催のウォーキングコースお披露目イベントが行われるということで、OURS.編集部も一緒に歩いてきました。コースの様子とイベントの模様を、写真たっぷりでお届けします。
案内板や標識などを含むコースデザイン全体は、デザイナーの原田祐馬さん率いるUMA/design farmが担当しました。団地の環境と対話をするように組み立てていったとのこと。原田さんといえばOURSでは、散歩と観察にもご登場いただきました。
コースは、野鳥の名前を用いた「うぐいす通り」「めじろ通り」「つぐみ通り」の3つ。「うぐいす通り」は、富田団地全域をぐるっと周れる2kmのコース。桜並木があるので、春のウォーキングにぴったり。「めじろ通り」は1周1.2km、鮮やかな新緑を楽しめます。「つぐみ通り」は住棟のあいだにある小道を抜けていく1.5kmのコースです。
いずれのコースも、のんびり歩いて約30分前後で1周できるように設定されています。団地の豊かな自然を感じながら歩けることはもちろんですが、楽しみなのが、ウォーキング中に様々な実寸大動物シルエットに出会えるところ。道沿いの倉庫をキャンバスに、大きな生き物から、小さな生き物までさまざまな種類の動物が描かれています。
ここからはウォーキングイベントの様子をお届けします。集合場所は、団地のコミュニティスペース「まきたセンター」。スタート前は、住人の方を中心とした参加者の皆さんで大賑わい。団地に住み始めて丸3年が経ったという住人の方は「ここの団地は本当に緑が綺麗です。でも広くて、自分が今どのあたりにいるのかわからなくなるんです…今日皆さんと一緒に歩いて覚えていけたらいいなと思っています」とおっしゃっていました。
今回は、よりウォーキングを楽しめるよう、自治会の皆さんがスタンプラリーや動物探し、宝探しなども企画。夏のような快晴の空の下、総勢160名で富田団地を歩きました。
無事全員で歩き終え、まきたセンターに到着。お宝をゲットし、皆さん満足気な顔で帰っていきました。団地の屋外空間をふんだんに使ったアクティビティに、大人から子どもまで大はしゃぎのイベントでした。
「このウォーキングコースを歩くことで、鳥の鳴き声を聞いたり、野花を見て楽しんだり、子どもたちがいろいろなものの見方を養うきっかけになればいいなと思っています」とおっしゃるのは、富田団地自治会長の澁谷さん。今回のお披露目イベントの仕掛け人です。ウォーキング中は、シロツメグサの名前の由来についてや、団地にやってくる野鳥のこと、日向と木陰の気温を検証したエピソードなども伺いました。
「小さい頃の思い出は、どんな時も自分の支えになります。子どもたちにふるさとの思い出をたくさん作ってもらいたいと、こういった自治会主催のイベントを定期的に開催しています。連休中、混んでいてもふるさとに帰る方が多いでしょう? 団地もそういうふるさとにできればいいなと思っています」と自治会活動への熱い思いもお話しくださいました。
UR富田団地は、阪急京都線「高槻市駅」からバスで15分。 ウォーキングコースは、地域の方も利用OKだそうですよ。
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写真・文/助口優衣