3. くこの実と黄耆、紅棗のお茶
彼女の家に到着してすぐに出してくれた冷たいお茶。
台湾茶で、くこの実と黄耆(おうぎ)、紅棗(なつめ)を麦茶や番茶のように煮出すそうだ。香りはそれほどするわけではない。
けれど、飲んだ時に感じるほのかな甘さと鼻に抜ける香りが台湾を想像させてくれた。
普段、コーヒーばかりを愛飲している自分だけれど、茶葉だけでなく、花や実、いろんな原料を使ってお茶を出す習慣は豊かなことだと思う。異国の地でひとり暮らしをしながらも、その習慣が途切れないのは、外国だからこそなのか、染み付いた生活習慣なのか。
それは、自炊中心という彼女の生活を想像すると、理由を聞かずともなんとなくわかるような気がする。
これが、黄耆。見た目は木の皮のようで、香りも薄い。
→4.日本のキッチンは狭いへつづく