大阪でひとり暮らしをしている文学部2回生の高梨さん。#カリグラシを読んで、住まいを定めるということに対して、ちょっと肩の荷が下りたようです。よかった!
text by高梨紗理奈(大学生)
わたしはまさに帯のとおり、「借り暮らしってなんだ!?」となっていたのですが、今回初めて覗かせていただいたカリグラシ! とてものびのびしていて楽しく読ませていただきました。
カリグラシの多様性に驚いたのはもちろん、みなさんの考えや場所にとらわれてないエピソードがどれもすてきです。
特におばあちゃんとふたりぐらしをすることになった楳原秀典さんのエピソードがインタビュー形式なのに物語を読んでいるみたい。他人を超えて本物の孫とおばあちゃんのような関係が生まれるなんてカリグラシの偶然は計り知れません。
一般的に住む、というのは自分の場所を定めることだとおもいます。本書に出会う前、わたしはこれをすごくすごく一大決心のように捉えていたんです。
でもカリグラシをしている方々をみると、今いる場所に固執をあまり感じませんでした。そこに暮らすことになった理由には、「たまたま暮らすことになって」と言ってるひともいるぐらい。また、自分のやってみたいことを場所や考えにとらわれずに行なっています。そういった、たまたま行動してみたことが偶然にもいまの自分の暮らしを豊かなものしてくれている。それって! すごいと思うんです。その偶然の可能性が。
カリグラシをはじめることに大きな決心はいらないと、いままでの思い込みをいい意味でくるりと覆されました。暮らしを豊かにするきっかけは、暮らしてみたら偶然あったなんて持ち家にはないものだと思います。
そしてカリグラシってわたしのような学生にもできちゃうんですよね、おそらく。
本当になにも知らなかったので驚きました…。
暮らしを豊かにするきっかけを教えてくれた1冊です。ありがとうございます。

宮城県仙台市出身。現在は大阪でひとりぐらし。
大学では日本語学及び日本文学を学ぶ。専攻は近代文学。太宰治がすき。