URA BORROWERS 鴨長明編

借り暮らしのヒントを求めて、
さまざまに活躍した人たちへのバーチャルインタビューを試みる
思いつき(不定期)企画「裏ぼろわーず」。

歴史上「こんな借り暮らしあり??」的な現場を訪れて、
当時の想いを勝手に想像しながら妄想インタビューを試みてみました。

さて今回は、京都の下鴨神社へ。
国語の試験には必ず出てくる日本三大随筆(今で言うブログ???)の一つである『方丈記』を記した、平安末期から鎌倉時代きってのカリスマブロガー、鴨長明さんに、借り暮らしの極意について聞いてみました。

鴨長明
1155年、京都生まれ。下鴨神社の神事を統率する位の高~いお家の次男として、将来を約束されたボンボン暮らしを謳歌していたものの、ちょっと前にあった■澤帆布的なお家騒動に巻き込まれ没落…。心機一転、ユーキャンちっくに和歌を習い、マイナビ転職的に歌人に転身…。トントン拍子にリベンジ出世を図り、神職の座に再チャレンジするものの、ここ一番ってところで味方少なくまたもや没落…。グレて出家。気まぐれにブログデビューしたところ、時空を超えて「読者になる」数が半端ないカリスマブロガーとして歴史に名を刻んだお方である。

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――「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し」。まだ、すらすらと出てきますよこのフレーズ。そー言えば、中学校の中間テストで暗記させられたなぁ。

嬉しいこと言うてくれはりますなーあんさん。
よろしおま、あんさんにだけにええこと教えたりまひょ。よー聞きなはれや、そもそもブログ(随筆)言うのんわぁ、
・更新がまめ。
・ぐだぐだした記事を書かない。
・真面目な話と笑い話のバランスがよい。
・画像を何枚も効果的に使って記事を盛り上げている。
・弱音や陰口を言わない。
・前向きで充実した日々を生きていることを綴っている。
ってことが大事やさかいにぃ。

――その割には、
・1~2年に1本しか書かなかったし
・話遠回しだし
・文章、自己中だし
・この当時、画像ないし
・グチ多いし
・知りたい肝心なこと書いてないし
大人になって、改めて良く読むと全然アカンやん!って思ったんですけど。

しょうもないこと言いなはんな! わし、カリスマブロガーでっせ! 清少納言はんや吉田兼好はんとかと並んで、日本で3本の指に入りますのんやー。わしの文章、試験にも出る言うてはりましたなー。あんさんそんな文章書いた事ありゃしませんやろー!

――いえ……スイマセンでした。 

わかればよろしおす。わしもまぁ、こー見えてもそこそこの出やし、あんさんみたいなポッと出のお人に本気なっても大人気ないよってに。あんさんもこの仕事で飯食って行きはるんやったら、口のきき方ひとつ気―つけなはれやー。

――はい。以後気をつけます。…それにしても、「方丈」とは…こんな狭い所でよく書いていましたね。

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起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半って言いまっしゃろ。それに、狭い方がいろいろと…ほら…密着できるんとちゃいますのん。

――密着?

無粋なお人やなーあんさん。おなごや、女子! 回り見てみなはれ。

――わぁ! 本当だ。ここお詣りしている人、女子ばっかりじゃないですか?

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作戦どおりやおまへんかー! ここを女性の守り神として、「河合神社は“カワイクなる神社” さらなる美への願いが叶う場所。べっぴんさんいらっしゃ~い」ってコピー作ってみましてん。ムフフ…たまらんのうー。

――あれ? 長明さんって出家してたんじゃ?

生涯現役!

――エロ坊主…。

なんか言うた?

――いえ…。

それに、今や世界遺産や言うやないのー! よう見ときなはれやあんさん。これが、マーケチング言うもんでっせ! 世が世なら「秋■康」にも負けしまへん。巫女集めてSKJ48でも結成して、紅白出場も夢やないかいなー。

――SKJ48って?

下鴨神社48!

――紅白って?

源平合戦!

――面白いですか? そのダジャレ??? うぁ、本当に48いるし!

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そろそろ本題に戻っていいですか。最後に、長明さんの借り暮らしの極意についてお教え願いますか?

Oh,my god together !
(…玉しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいやしき人のすまひは、代々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或はこぞ破れてことしは造り、あるは大家ほろびて小家となる。住む人もこれにおなじ。<中略>かりのやどり、誰が為に心を悩まし、何によりてか目をよろこばしむる。そのあるじとすみかと、無常をあらそひ去るさま、いはゞ朝顔の露にことならず。或は露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし。 『方丈記』より)
(意訳:アベノミクスだー、低金利だー、今が買い時だーと言って、猫も杓子も新築分譲目当てに家を持ちたがるけど、持家はそんな財産か?っちゅーの。一見、土地家屋は親から子へ、子から孫へと引き継がれているように見えるけど、長~い目で見てみると、都会では先祖代々その地に住み続けている者などほとんどおらんし、再開発された所へ新たに建てられたマンションや、昔は豪邸だったけど相続税対策で手放した土地に小さく切売りされた家しか建ってないし。それをまた35年ローンで手に入れようとする人たちもどーかと思わへん?…<中略>…どんな立派なマンションを買ったり、大きな家を建てたりしたところで、人生においてはそれもまた、ただの借り暮らしやと思うねん。やのに、やれ繰り上げ償還だ、やれ大規模修繕だと、なんだかんだ貯金通帳の残高を気にして暮らしていく人の気が知れんのよねー。自分には到底無理! だって、♪人間なんてララーラ♪ラララ♪ララー♪所詮、朝顔に落ちたしずくみたいなもんやん。そのしずくが朝顔の花から落ちた後も、朝顔の花だけがきれいに残ってるのかも知れへんけど、朝顔なんて朝日を浴びれば枯れてしまうし。かと言って朝日で花がしおれた後でも、しずくだけが残ってるってこともあるかも知れへんし。でも、そのしずくもまた夕方までには蒸発して消えてしまうこと間違いないしねー。 ヘヘェ〜イ、シャバダバダディ〜、イェーイ。わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ〜)

――ありがたーいお言葉。長明さん、本日は長い時間おつきあいいただきありがとうございました。

おまけ
グルメD’
下鴨神社のあるところと言えば「出町柳」。
出町に来て、避けて通れないのは、出町ふたばの「豆餅」でしょう!
ということで、久々に寄ってみましたが、相変わらずのこの人・人・人…めげずに並んでみました。 
待つことおよそ10分。

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今回ゲットしたのは、「豆餅(1つ175円)」と「福豆大福(1つ185円)」。そこそこの年を重ねると、この味がわかってくるんですよねー。どれもこれもその日のうちに作り、賞味期限がその日限りってところが素敵です。

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出町ふたば
●京都市上京区出町通り今出川上ル青竜町236
食べた日 15年5月

photo & text : Takeshi Harada

JOURNAL

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