松本、カリグラシ、栞日。
長野県松本市。
村上慧さんの取材で1日だけの滞在だったが
インタビューを終えて、村上さんといっしょに「栞日」という場所を訪ねた。
(「家をせおって歩く」村上慧さんの記事はこちら
→https://uchi-machi-danchi.ur-net.go.jp/ours/murakami-01/)
入り口には以前そうだったという、街の電器屋さんの看板。
1階にはドシンと存在感のある活版印刷機が置かれ、カフェになっている。
そして、2階はリトルプレスもたくさん置かれた本屋とギャラリー。
その本棚が驚きのつくりになっていた。
伝わるかな、いろんな引き出しを壁に貼りつけて、本棚代わりにしているのだ。
「これは東野さんに一任したところです。古道具屋で集めた茶箪笥、和箪笥を中心に、ところどころ農家さんから譲り受けたりんご箱とかも使っています。東野さんはこれを設計図も何もなしで、1日でどんどん壁にはめていく感じで。すごかったですよ」 と栞日の店長、菊地徹さん。
東野さんというのは、店のデザインを手がけたmedicalaの東野唯史さんのこと。
medicalaといえば、東京のホステル「Nui.」をはじめ、その土地に住みこんで、空間デザインを手がけている東野さんと華南子さんの夫妻を中心としたチームで、長野でも、「tabi-shiro」「マスヤゲストハウス」という2つのゲストハウスを手がけている。
ちゃんと知らなかったけれど、東野さんの次の活動として古材、廃材を「レスキュー」して再活用するための「REBUILDING CENTER JAPAN」を立ち上げ、すでに長野・諏訪に拠点が完成していた。活動趣旨も写真もすばらしい。
→https://rebuildingcenter.jp/
と、話がそれた。
「栞日」はそんなmedicalaのちからを借りて、16年夏に移転オープンしたばかり。
本をイメージして、空間やメニューにページが割り振られていたり、まだ小さな子どもをおんぶしながらはたらく菊地ご夫妻の姿もごく自然で、いろいろといい塩梅のお店だった。
右側に写る壁面はトタンをフル活用!
ちなみに、ほんの10mほど離れた場所に夏の前まで「栞日」だった建物がのこっていて、こちらは、中長期向けの1棟まるごと貸しホテルに変身していた。
→https://camp-fire.jp/projects/view/7609
「栞日」ホテル化のために、菊地さんがCAMPFIREに書いたテキストがその経緯をよく説明している。
ほんの数時間歩くだけでもカリグラシの種がいろいろ飛びこんできた長野県。
熱いっ! また行きたい!
文/竹内厚 写真/モモセヒロコ