5.棚の中のスパイス

石濱家のキッチンは、前述の通りごく一般的なシステムキッチン。
だけれども、その棚や冷蔵庫に収まる食材は、日本で一般的なものではないものが多い。
まずは、インド料理には欠かせないスパイス。
シンクの上にある棚の中に、無造作にしまわれていた。
パウダー、ホール、小麦粉類が、買ってきたときのままの袋などに入れられたまま棚いっぱいに収納されている。
お店だとスパイスが瓶に入って、棚にずらっと並ぶ景色をよくみるけれど、日常的に使うものだからこそ、この無造作が結構当たり前なのかもしれない。

あまり使わないスパイスは小袋に分けて。黒いカルダモン。メース(ナツメグの皮)。

スパイスがわりと手に入りやすくなったとは言え、これだけの種類を揃えている人はそうはいないだろう。日本でいうところの醤油やみりんと変わらないけれど、馴染みがない分、コレクション的にも見える。
日本のキッチンとインドのキッチンについても聞いてみた。
石濱:キッチンは日本の方が使いやすいですよ。インドは換気扇すらないし。インドで滞在していた家で換気扇を付けたら、めちゃめちゃなところに設置されて、全然意味がなかった。
換気扇の代わりに、インドのキッチンには窓がついてます。やっぱり油でコテコテになるので、女中に掃除させたり、女中の旦那が暇してたら、その旦那にも掃除させたり(笑)。家庭に女中がいるのが一般的だから、窓でも間に合うんですね。

インドのお米、バスマティ。しっかりとした袋に入っている。炊飯器は使わず、研いだお米をそのまま水につけ、そのあと湯がいてアルデンテになったら、お湯を捨て、余熱で芯まで火が入ったらできあがり。香りも独特。
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